『ジョン・マン 波濤編』
山本 一力
単行本: 290ページ
出版社: 講談社 (2011/1/6)
言語 日本語
ISBN-10: 4062167697
ISBN-13: 978-4062167697
発売日: 2011/1/6
幕末の風雲児、中浜万次郎。遭難して漂流した土佐の漁師 がアメリカの船に救われて渡米、アメリカの実態をつぶさ に観察、倒幕の大きな力となる知識を持ち帰って日本の夜 明けを早めた。アメリカ人につけてもらった愛称がジョン ・マン。
というのが通りいっぺんの知識だと思う。
昨年の大河ドラマでもトータス松本さんが、その前の篤姫 では勝地涼さんが演じていて、いいポイントをおさえる役 どころ。
さて、その万次郎と同郷の山本一力さんが描く大河小説。 今回はその1冊目。
開幕は米国北部、マサチューセッツ州フェアヘブンの向かいにあるニューベッドフォード。
アイルランド訛が「んだべ」などと表記され、万次郎たちの土佐弁と対をなす。
ホイットフィールド船長が新しい捕鯨船「ジョン・ハウランド号」の出帆に先駆けて地元の豪商たちと商売の駆け引きに忙しい。
この本は確か日本の時代小説だよな、と、思わず表紙を確かめる、こともないけどね。
かたや日本の足摺岬近辺の中ノ浜では、12歳の幼い身で漁師たちの炊事役をまかされていた万次郎が、ある事情から母との辛い別れを余儀なくされる。
中ノ浜から宇佐浦までの舟の旅。
その舟の中で筆之丈という漁師に出会う。
筆之丈にも万次郎の目の良さ、舟の中での炊事作業を見る勉強熱心さなどを認められ、漁師の仲間に引き入れられることになる。
さて、物語はまだまだ始まったばかり。
12歳の万次郎が14歳になり、目出たい新年の初竿に同乗したころ、ジョン・ハウランド号は日本近海での捕鯨漁に向かっている。
さあ、堂々たるオープニングを楽しもう。
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