2010年1月18日月曜日

「プロフェッショナル」



「プロフェッショナル」
ロバート・B. パーカー
単行本: 320ページ
出版社: 早川書房
発売日: 2009/11/9


 スペンサー、今回の相手は、火遊びをネタに裕福な人妻たちを強請る男。
 4人の人妻たちのほうにもいわく因縁があり、同じ男を相手にしていたことに気付いた人妻たちが結束して、強請屋に変貌した男に復習を企てようとする。強請屋とはいうものの、悪びれず、一本、筋の通った男の生き方に共感を覚えるスペンサー。このあたり、悪人であっても自分の生き様に確信を持つ男を大事にするスペンサーの面目躍如というところ。この巻にもギャングであり、ガンマンである男たちが登場し事件解決に協力する。お互いの立場を尊重した、西部劇や日本の時代劇でも表現されそうな「男の美学」(早川書房HPから)である。
 スペンサーの活躍で強請りは中止できたものの、一部の女からの誘いで、強請屋は悪びれず交際を続けている。そこに事件が起こる。人妻の亭主が殺され、財産が人妻のもとに転がり込んだのだ。それが誰の差し金なのか、追及を始めた矢先、新たな事件が・・・・
 スペンサーとスーザンのアツアツぶりも相変わらずだが、洗練されたライフスタイルをみせて、強請屋と人妻とのセックス中毒じみた関係と対比させる。
 各シーンが3~4ページで展開されていき、テンポも速く、時間経過もそれに合わせて鮮やかに流れていく。たゆとう時間に身をゆだねる通勤読書に最適な一冊。


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