上田秀人著
単行本: 322ページ
出版社: 講談社
ISBN-10: 4062161656
ISBN-13: 978-4062161657
発売日: 2010/8/26
序章、本能寺に向かう明智光秀一行が描かれる。
そして本能寺の全焼。しかし、死体は見つからない。だが光秀は部下たちに命じる、「信長は死んだと触れ回れ」。
その後始まる第1章から4章までは、歴史小説どおりのはこびとなる。比叡山の焼き討ち、一向宗の弾圧、石山本願寺との抗争。ルイス・フロイスとの交流、その中で世界を理解しようと努める信長。壮大華麗な安土城築城。
だが、信長の思いが変質していく。なぜそこまで非情になれるのか、なぜそこまで厳しくするのか。
軍師の存在も大きい。竹中半兵衛、黒田官兵衛ふたりの結びつき、二人が見た信長の実像。軍師二人が影の主人公だともいえる。
本能寺の裏話となると、いつも、明智光秀が信長を裏切った動機は何か、本能寺の仕掛けとはどんなものか、などが中心となる。
この物語はしかし、信長の内面にひとつの論理を探り当て、その心の動きのままに周囲の者を巻き込むことで支配を続けようとする行動が描かれていく。
そして第5章。
光秀は信長に命じられた通りに動く。秀吉も信長の命令に従い、高松城攻めを予定通りに進め、いよいよ、京に戻る日が来る。
そのとき、黒田官兵衛が発した言葉は・・・
タイトルが全てを語っている。そう読んでも間違いではない。
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