2010年6月14日月曜日

「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」

「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」
万城目 学

ちくまプリマー新書
刊行日: 2010/01/25
判 型:新書判
ページ数:240
ISBN:978-4-480-68826-2
JANコード:9784480688262

か のこちゃんは小学1年生。
鹿と話ができるお父さんに、いろいろな言葉を教えてもらった。一期一会などもそのひとつ。
癖だった親指を吸うの をやめて「知恵が啓かれた」あと、早朝の教室で「鼻てふてふ」をしているしずちゃんと出会う。
学校でことば競争をしているしずちゃんの味方をした ことから、ふたりは「フンケーの友」になることに。
そのとき、茶柱という言葉をきいて、それがなにか、どうしても実物を見たくなってくる。お母さ んにいろいろ相談したりして、ついに発見。ただ柱は柱でも・・・

マドレーヌ夫人は気高いとら猫。かのこちゃんのお母さんが作るマドレーヌ に似た色をしている。かのこちゃんの飼い犬である玄三郎の夫人でもある。
ある日、玄三郎から「猫又」の話を聞くやいなや、自分が猫又になってしま い、人間に変身して大活躍することになる。
人間になったマドレーヌ夫人は玄三郎の不調をかのこちゃんに訴え、猫たちの集会場所を人間たちから奪い 返すことに成功する。

人間と猫、それぞれが意識しないまま密接にからみあい、春から秋が始まるまでの短い季節が濃密に描かれていく。

か のこちゃんは夏休みの自由研究としてマドレーヌ夫人のお散歩地図を作成、先生や同級生からも一目おかれることになる。
だが、せっかく仲良しになっ たしずちゃんとのお別れが近づいてきて、秋祭りの一夜、楽しいひとときを過ごすのだが。
マドレーヌ夫人は玄三郎の病気が取り返しのつかないもので あることを知り、自分なりの覚悟を決めて・・・
かのこちゃんの出会いと別れ。マドレーヌ夫人の出会いと別れ。

「ホルモー」「鹿 男」「トヨトミ」から、児童文学に歩を進めたかに見える一冊。図書館北分館では児童書の棚に配置されているが、リクエスト待ち多数の状況が続いている。
今 回も「万城目ワールド」全開。

直木賞候補にあげられたのはちょっと、と思ったけど、ことしの「本屋大賞」をうかがわせる声もちらほら。

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