「幕末 維新の暗号 / 群像写真はなぜ撮られ、そして抹殺されたのか」
加治 将一
単行本: 453ページ
出版社: 祥伝社
ISBN-10: 4396612869
ISBN-13: 978-4396612863
発売日: 2007/4/21
かなり前の刊行だが、依然から気になっていたので、昨年の「失われたミカドの肖像」からさかのぼることにして、の一冊。
今回は幕末写真として有名な(!)一枚の写真に基づいて明治維新と天皇家についての古い過去からの因縁が語られる。
小説仕立てのノンフィクションという触れ込み。その中身そのものがあやふやな歴史を扱っているので、ノンフィクションという言い方が正しいのかどうか。
作者の分身といえる歴史作家の望月のもとに一枚の古い写真が送られてくる。幾度となく新聞マスコミにも取り上げられた46人の侍たちの集合写真。
加治 将一
単行本: 453ページ
出版社: 祥伝社
ISBN-10: 4396612869
ISBN-13: 978-4396612863
発売日: 2007/4/21
かなり前の刊行だが、依然から気になっていたので、昨年の「失われたミカドの肖像」からさかのぼることにして、の一冊。
今回は幕末写真として有名な(!)一枚の写真に基づいて明治維新と天皇家についての古い過去からの因縁が語られる。
小説仕立てのノンフィクションという触れ込み。その中身そのものがあやふやな歴史を扱っているので、ノンフィクションという言い方が正しいのかどうか。
作者の分身といえる歴史作家の望月のもとに一枚の古い写真が送られてくる。幾度となく新聞マスコミにも取り上げられた46人の侍たちの集合写真。
メモ書きされた名前によれば、坂本龍馬、西郷隆盛、高杉晋作、岩倉具視、大久保利通、中岡慎太郎、伊藤博文、桂小五郎、勝海舟……と幕末の志士たちが勢ぞろいしている。
敵味方入り乱れての、と一瞬思ってしまうが、結局立場を超えて明治維新を完遂させたという意味ではなべて同志といえるのだ。
写真そのものはインチキだ、捏造だ、と現在では評価されていないもの。ただ、それを調べ始めるといろいろと疑問が出てくる。また、同じくその写真を調査していた男が旅先で奇禍にあって死んでしまうなど、周辺で謎めいた事件が起こる。
そこで次々と浮かび上がる謎に満ちたエピソード。
この写真はフルベッキ写真と呼ばれる。
佐賀の宣教師であるフルベッキが自分の同志たちが集合したときに写した写真だという。佐賀では大隈重信、江藤新平らがいた。
ではいつごろ撮影されたものか。龍馬が写っているのなら、明治ではない。慶応末期か。
そして中心に座る男子の謎。これが明治天皇だという説もあるのだ。
佐賀藩と明治天皇の関係とは?
写真そのものはインチキだ、捏造だ、と現在では評価されていないもの。ただ、それを調べ始めるといろいろと疑問が出てくる。また、同じくその写真を調査していた男が旅先で奇禍にあって死んでしまうなど、周辺で謎めいた事件が起こる。
そこで次々と浮かび上がる謎に満ちたエピソード。
この写真はフルベッキ写真と呼ばれる。
佐賀の宣教師であるフルベッキが自分の同志たちが集合したときに写した写真だという。佐賀では大隈重信、江藤新平らがいた。
ではいつごろ撮影されたものか。龍馬が写っているのなら、明治ではない。慶応末期か。
そして中心に座る男子の謎。これが明治天皇だという説もあるのだ。
佐賀藩と明治天皇の関係とは?
そこに、明治天皇が後醍醐天皇をあがめていたという事実が披露される。
南朝の有力者を賛美する神社や寺をつくり、皇居にまで楠木正成の銅像があるという事実。
さて、ここで昨年の「ミカド・・・」のブックレビューを読み返したのだが、え、という感じ。結論は常にはぐらされる。
これは小説。そう割り切るのが、精神の安定を保つ一番の秘策なのかも。
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