「ハイゼンベルクの顕微鏡」
石井 茂/著
単行本: 272ページ
出版社: 日経BP社
ISBN-10: 4822282333
ISBN-13: 978-4822282332
発売日: 2005/12/28
ハイゼンベルクが発見した不確定性原理は、量子力学の一応の完成を告げると同時に、量子力学の物理的解釈をめぐって論争の種をまくことになった。量子力学の数学的定式化はフォン・ノイマンによって達成されるが、このときノイマンは不確定性原理がもたらす量子の観測問題にも手を染めた。量子力学を疑う人々がほとんどいなくなっていったこととは裏腹に、観測問題については「シュレディンガーの猫」「ウィグナーの友人」「EPRパラドックス」などのさまざまな疑問が提出され、長い間にわたって論争が続いてきた。
量子力学における観測問題を決着させたのは、日本の数理物理学者であった。その新しい観測理論は、ハイゼンベルクの不確定性原理に修正を迫る結果になった。
本書はハイゼンベルクやシュレディンガーなどのあまり知られていないエピソードをたっぷりと紹介しながら、不確定性原理がいかに発見され、その後いかなる道をたどったかを物語る。
ということで、読み始めた。
やたら方程式が出てくるのだが、さして読みにくいことはない。
いろいろなエピソードが重ねられ、1930年代の理論物理学の成り立ちがよく分かる。
先週だったか、週間文春で立花さんが紹介していたので、7年前の本ながら、こうしてブックレビューの対象になったわけ。
というのも、先月2012年1月16日に、不確定性原理を破る実験に成功したというニュースが飛び交ったときの参考書としてどうだ、というスタンス。
http://www.nikkeiscience.com/wpcontent/uploads/2012/01/f260438a2dc09158e17791375ec00f221.pdf
はっきり言って本質的なところは意味不明。
それでも、こうして読み進めるのが面白い。
1930年代から第二次世界大戦、そして、現代につながる実験、論証。
いまのハイテクワールドの元になったのがハイゼンベルグたちの理論だという結論。
たまには、頭に入らないが面白い本も読んでおります。
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