「黒警」
月村了衛
単行本: 232ページ
出版社: 朝日新聞出版 (2013/9/6)
言語 日本語
ISBN-10: 4022511117
ISBN-13: 978-4022511119
発売日: 2013/9/6
あんたは警察の中の“黒色分子"だ!
『機龍警察』の著者による書下ろし長篇警察小説
吉川英治文学新人賞&日本SF大賞、受賞後第一作!!
警視庁組織犯罪対策部の沢渡と滝本組幹部の波多野は、
組織に追われる中国人女性を見殺しにした深いトラウマを抱えていた。
そんな二人のもとに中国黒社会の新興勢力「義水盟」の沈が現れる。
黒社会の大組織・天老会に追われているカンボジア女性サリカを匿ってほしいと沈から頼まれる二人。
サリカは天老会の最高機密を握っているらしい。
やがて二人は背後に黒社会の大組織と癒着する国家権力の影を嗅ぎ取るが……。
ダークな味わいの傑作長編警察小説。
内容(「BOOK」データベースより)
警視庁組織犯罪対策部の沢渡と滝本組幹部の波多野は、組織に追われる中国人女性を見殺しにしたトラウマを抱えていた。そんな二人のもとに中国黒社会の新興勢力「義水盟」の沈が現れる。黒社会の大組織・天老会に追われているカンボジア人女性サリカを匿ってほしいと沈から頼まれる二人。サリカは天老会の最高機密を握っているらしい。義侠心に富む波多野はサリカを隠れ家に匿うことになるが…。トラウマをもつ無気力警官、武闘派ヤクザ幹部、そして若き黒社会の首領が交錯するとき、漆黒の闇に潜む巨悪が顔を覗かせる―『機龍警察』の著者による書き下ろし長篇警察小説。
沢渡、組対の下っ端刑事に甘んじている。
というのも、かつて飲酒運転がばれるのをおそれて、ひとりの女を見殺しにしてしまったことがあったからだ。
波多野。ヤクザの幹部として一目おかれる存在だが、かれもかつて助けるべき女を助けることが出来なかった引目をかかえている。
そこに、ペンママという、キャラクターの母親らしき名前が浮かび上がる。ペンちゃんのママなのだ。
その情報をもたらしたのが、中国マフィアの沈だった。
沈もまた、自らの過去の因縁から逃れられず、復讐心をかかえて警察への憎悪をたぎらしている。
やがて、ペンママの背後に、警察上層部の局長が関係していることがわかる。
しかし、その魔手は波多野に及ぶ。
沢渡は波多野の仇を撃つべく、沈と組んで警察庁上層部への戦いを挑む。
いやあ、ハードボイルドです。
公安の星とテレビでウケている若手捜査員に、いいように引き回されながら、最後には溜飲を下げる。ちょっとユーモアがかった仕掛けもあるが、自分を押し殺して、信ずる道を切り開く沢渡はいかにも月村マインドに満ちたキャラクターだ。
沈とのコンビも、もう少し続けてもらえたら嬉しいのに。
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