「王になろうとした男」
伊東 潤 (著)
単行本: 299ページ
出版社: 文藝春秋
言語 日本語
ISBN-10: 4163823204
ISBN-13: 978-4163823201
発売日: 2013/7/29
己を知るものほど強いものはおらぬ
天才信長の周囲に集まった者、五人のそれぞれの数奇な運命を描く歴史短編集。黒人奴隷の弥介、信長に父信行を殺された織田信澄など。
内容(「BOOK」データベースより)
現在最も注目を浴びる気鋭の歴史小説家が描く織田家をとりまく異色の人々、毛利新助、原田直政、津田信澄、彌介など。
「果報者の槍」
桶狭間で今川義元の首を獲った毛利新助。信長に認められながらも、周囲の者たちとの出世競争には目もくれず、おのれの道を進む。
「毒を食らわば」
明智光秀や羽柴秀吉にも勝る勢いで出頭を重ね、本願寺との合戦で討ち死にを遂げた原田直政。毛利新助の同僚であり、前作とほぼ同時代を側面から描く。
「復讐鬼」
野心家であるがゆえに墓穴を掘ってしまった荒木村重。信長を裏切り、茶人として大成していくが、やがて復讐の鬼となっていく。
「小才子(こざいし)」
父を伯父の織田信長によって暗殺され、復讐のために信長の一家臣として仕えた津田信澄。果てしない野望を秘めた男には、野望を秘めた者たちが集まってきて。
「王になろうとした男」
ある夜、本能寺でめざめたヤシルバは、おのれの不可思議な過去を思い出す。象牙取りの仲間たちとともにポルトガル人に捕らえられ、売られ売られてこの国にたどり着いた。
信長には、自分の黒い身体を美しいとほめられ、側に侍ることを許される。そのときからヤシルバは彌介となった。
だが、謀反の旗が本能寺を取り囲む。信長の秘命を受けて、信長の長男・信忠を訪ねた彌介だったが、信忠はそれを是とせず、滅亡を選ぶ。
彌介も捕らえられ、ふたたび奴隷として西国に向かうのだが、その途中、己の身に起こる運命を悟ったヤシルバは・・・日本国王になろうとした信長を取り巻く5人の男たちを中心にして、「信長の時代」を描く。
この本では、今川との戦から始まり、本能寺の変で幕を閉じる構成だが、それぞれの短編の初出の雑誌は順番がことなっている。
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