2012年1月5日木曜日

法然親鸞一遍をいっぺんにわかろうとして

「法然親鸞一遍」
釈 徹宗/著

単行本: 189ページ
出版社: 新潮社
ISBN-10: 4106104393
ISBN-13: 978-4106104398
発売日: 2011/10/20


法然と親鸞が一遍でわかる、究極の一冊!
"悟り"ではなく"救い"の道を----。仏教のベクトルに大転換をもたらし、多くの支持を得た日本浄土仏教は、いかにして生まれたのか----。念仏を選択し、凡人が救われる道を切り拓いた法然。「その念仏は本物か」と問い続け、「悪人」のための仏道を説いた親鸞。「捨てる・任せる」を徹底し、遊行の境地に達した一遍。浄土宗・浄土真宗・時宗の三祖を比較し、それぞれの「信心」に迫る。注目の僧侶による、画期的浄土仏教論!

 実は年末から体調不良が続いていて、年末の30日にはついにダウン。朝からうつらうつら、夜になって少し理解力が戻ってきた間に、前回アップした東野作品を読了。
 そして新年。
 まあ、正月は電車に乗らないので、まとまって読むこともなかろうと、短い作品に挑戦。

 それがこれ。
 入荷したときに、たまたま見つけて、ずっと借りっぱなしの新潮新書。
 この1月なかばには五木さんの「親鸞・激動篇」が出るので、復習と事前準備を兼ねての一冊。

 法然。信心は称名念仏とともに形成されていくとして宗教行為の実践を主軸とした。
 親鸞。その信心とは「如来よりたまわりたるもの」と表現。
 一遍。念仏も信心も無用。

 この一冊がなかなか難物。薄い新書だからとあなどってはいけない。しっかり勉強させていただきました。(?)

 比較宗教学というらしい。
 それぞれの宗教思想を絶対視するのでなく、比較することで解読する。
 その中ではやはり親鸞への言及が多い。著者が大阪の浄土真宗のお寺の住職なのだから、当然か。

 一遍については、あまり知らなかった。
 時代的には、法然の没後、親鸞も67歳になった頃に生まれている。遊行念仏というのはどこかで聞いて覚えていた、その程度だ。
 だが、やはり法然、親鸞の世界から逃がれられない。念仏も信心もいらない、といいながら、その底には今の鎌倉仏教を形成した2代先達に対する畏敬がどこかにあったに違いない。

 あらためて、親鸞の偉大さに感動した正月。
 南無阿弥陀仏。 

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