2013年6月9日日曜日

刺客どくろ中納言は時代劇ファン垂涎のシーン続出

「刺客 どくろ中納言」 天下盗り、最後の密謀
岡田 秀文

単行本: 326ページ
出版社: 幻冬舎
ISBN-10: 4344023730
ISBN-13: 978-4344023734
発売日: 2013/4/26

豊臣秀吉は、本当に天下を盗った勝者なのか!?
史実の「点」と「点」を結ぶ、一本の「線」。その解は小田原合戦にあり。

小田原合戦の鍵となる「伊達政宗 遅延」―――
その謎を知った時、真の勝者が見えてくる!!
豊臣秀吉、徳川家康、北条氏直、伊達政宗、千利休―――
群雄割拠の戦国時代、真の勝者は一体誰だ!?

野望が戦乱を生み、戦乱が歴史を変える《戦国ミステリー》

時は戦国時代末期。織田信長の遺志を継いだ関白・豊臣秀吉は、その権力を次第に拡大し、天下を掌中に収めようとしていた。国内の混乱が激しさを増す中、天正十七年(一五八九)、豊臣家の外交官・富田一白が耳にした「どくろ中納言」なる謎の符牒―――その言葉が意味する驚愕の史実とは!?
奥州の地で伊達政宗が暴れ、名胡桃城をめぐって真田と北条が衝突……惣無事令によって引き起こされた「小田原合戦」の陰で、真の勝者を決める密謀が静かに動き出し、新たな歴史のページが作られようとしていた。

 なんだか、会話でつまづく。
 同じような武家言葉で何人もが話すので、少し混乱。
 誰がしゃべっているのかわかりにくい。

 主人公は富田一白。秀吉の外交官というか、各地の武将たちとの連絡係であり、事前工作で武将たちをまとめている。
 ところが、北条の動きがおかしい。秀吉の意思に反して真田の城を攻め取ったりする。
 こいつは懲らしめねばなるまい。というわけで、名高い北条攻めが始まる。

 富田は、石田三成が放った草の者の死を耳にする。
 男は「どくろ中納言」といまわの際につぶやいたというのだ。
 それを調べることもままならず、時代は北条攻め、小田原合戦へと進んで行く。
 千利休の弟子である今井宗久を救い出したものの、宗治は太閤秀吉の勘気を得て惨殺されてしまう。

 そして伊達政宗。
 端麗な弟・小次郎にくらべ、隻眼の政宗はつねにひかえめ、動きも少ない。母のお東の方は弟ひいき。ドラマなどでも、おなじみの場面だ。
 仙台藩内部の軋轢、親子兄弟の確執。あげく、血だらけの小次郎を見下ろして政宗は慟哭する。「小次郎は死んだ!」
 
 ご存知一夜城も出て来る。
 北条攻めはのんびりと物見遊山をかねた東国への旅。
 その旅を無理なく進めるために、一白や家康は一苦労だ。
 家康を歓待した秀吉は北条の城を眼下に望みながら、関八州を治めよと命ずる。これもよく見るシーン。
 その家康と太閤との密約、関東への領地替えにまつわる駆け引きにも一白はからんでいる。

 いよいよ北条への総攻撃。
 そこに、遅れに遅れて、伊達政宗が小田原に現れる。これもご存知、白装束・死装束での太閤とのご対面。
 おなじみの場面だが、そのとき、家康が政宗の耳元でささやいた言葉とは・・・

 その裏に潜んでいた、どくろ中納言の秘密が暴かれたとき、すべてが反転する。
 

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