「切り裂きジャックの告白」
中山七里著
単行本: 334ページ
出版社: 角川書店
言語 日本語
ISBN-10: 4041104408
ISBN-13: 978-4041104408
発売日: 2013/4/27
東京・深川警察署の目の前で、臓器をすべてくり抜かれた若い女性の無残な死体が発見される。戸惑う捜査本部を嘲笑うかのように、「ジャック」と名乗る犯人からテレビ局に声明文が送りつけられた。マスコミが扇情的に報道し世間が動揺するなか、第二、第三の事件が発生。やがて被害者は同じドナーから臓器提供を受けていたという共通点が明らかになる。同時にそのドナーの母親が行方不明になっていた―。警視庁捜査一課の犬養隼人は、自身も臓器移植を控える娘を抱え、刑事と父親の狭間で揺れながら犯人を追い詰めていくが…。果たして「ジャック」は誰なのか?その狙いは何か?憎悪と愛情が交錯するとき、予測不能の結末が明らかになる。
深川署から通りをへだてた公園で、早朝ランナーが死体を発見する。若い女性の死体からは臓器がすべてくり抜かれていた。
テレビ局と新聞社には犯行声明が送られ、自らをジャックと名乗る犯人はまだまだ犯行は続くと宣言する。
という出だしで、ストーリーは紹介文のとおり。
続いて二人目の被害者が襲われ、犯行声明はますますエスカレートする。
そこに現在の臓器移植の現状とそれにまつわる法体系の不備や、一般人の持つ臓器移植に対するイメージが見直される。
臓器を提供された人たちの中には、せっかくの命を無駄にするかのごとく、いままでの療養生活から抜け出せずに、無為な生活を送る人もいた。
3人目の犠牲者はそんな男だった。競馬場通いを繰り返す、ニートな青年。かれの死体は競馬場近くで発見された。
ドナーの家族は内蔵がどこの誰に移植されたのかは知らされない。
またレシピエントは自分に移植された内臓が誰のものだったかは教えてもらえない。
警察の捜査にもそれは明かすことは出来ないのだそうだ。
それなら、それを知る人物がいるのではないか。
すなわち、ドナーとレシピエントを結ぶ臓器移植コーディネーターが怪しい?
ドナーの母がいた。彼女は息子の臓器が提供されたレシピエントたちを訪ね歩いていたというのだ。「息子は生きている。息子に会いに行くのだ」
その情報を教えたのはコーディネイターだった。
ではその母が臓器を取り返そうとして殺人を繰り返しているのか?
4人目のレシピエントが判明。
警察は総力をあげて彼をガードする。しかしジャックは警察の囮となった彼を携帯電話による指令で振り回し、都内を動き回らせる。警察の目から逃れた犠牲者の前に現れたジャックの正体は・・・
だが、その後の二転三転が中山ミステリーの真骨頂。
切り裂きジャックが告白したその真実とは・・・
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