2013年7月1日月曜日

嵐のピクニックは想像力の嵐を呼ぶ

「嵐のピクニック」
本谷 有希子

単行本: 194ページ
出版社: 講談社
言語 日本語
ISBN-10: 4062177048
ISBN-13: 978-4062177047
発売日: 2012/6/29

優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気を描く「アウトサイド」、ボディビルにのめりこむ主婦の隠された想い(「哀しみのウェイトトレーニー」)、カーテンの膨らみから広がる妄想(「私は名前で呼んでる」)、動物園の猿たちが起こす奇跡をユーモラスに綴る「マゴッチギャオの夜、いつも通り」、読んだ女性すべてが大爆笑&大共感の「Q&A」、大衆の面前で起こった悲劇の一幕「亡霊病」…などなど、めくるめく奇想ワールドが怒涛のように展開する、著者初にして超傑作短篇集。
奇想天外、前代未聞、野間文芸新人賞作家の想像力がはじけ飛ぶ、13の“アウトサイド”な短篇集! ※本作は「群像」掲載「13の“アウトサイド”短篇集」を改題したものです。

優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気を描く「アウトサイド」、ボディビルにのめりこむ主婦の隠された想い「哀しみのウェイトトレーニー」など、全13篇を収録した短篇集。『群像』掲載を単行本化。

 ことしの大江健三郎賞受賞。
 今の最先端の文学かな、と思ったけど、これがそうなのか?

「アウトサイド」
 ある日突然、教師は姑をピアノに押し込む。なんで?

「私は名前で呼んでる」
 キャリアウーマンが会議をリードしているが、カーテンのふくらみが気になって仕方がない。

「パプリカ次郎」
 たった6ページの作品。市場を襲う謎のスーツ男たち。パプリカ次郎は男たちと対決する。

「人間袋とじ」
 しもやけを利用して足をくっつける。でも、そこには・・・。なんか、むずむずしてくる。

「哀しみのウェイトトレーニー」
 ボディビルにのめりこむ主婦。著者のかわいい顔かたちからは想像出来ない一篇。

「マゴッチギャオの夜、いつも通り」
 おれはマゴッチギャオ。猿だからよくわからないんだけど。IQの高いチンパンジーがおりに入れられてくる。やつはいじめられて死んでしまうのだが・・・

「亡霊病」
 亡霊病をご存知かな? いま私はそれを発症しようとしている。大勢の観客の前で。

「タイフーン」
 台風が街をおそう。そのとき、傘を持った男は、みごとに空を飛ぶのだ。

「Q&A」
 人生相談。80歳の大御所は最後の大特集で、言いたい放題の回答。

「彼女たち」
 彼女たちは彼氏と決闘する。そのままの君が好きだよ。そう言っているのに。

「How to burden the girl」
 高い塀に囲まれた屋敷。母から父を奪った彼女の兄弟たちがひとりずついなくなっていく。そして、彼女の涙を奪おうとする謎の集団。

「ダウンズ アンド アップス」
 ファッションデザイナーになりたい? そう訊けば、自分の才能をひけらかすデザイナーたちは必ず僕におもねってくる。でも僕に見えているのは値札のゼロの数だけ。

「いかにして私がピクニックシートを見るたび、くすりとしてしまうようになったか」
 試着室から出て来ないお客様。どうしてここまで付き合わなくちゃならないの? マンガつきで一晩の騒動を描く。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿

爺の読書録