2011年8月6日土曜日

だるまさんがころんだ、で、後ろを振り返ると

「七人の鬼ごっこ」
三津田信三

単行本: 394ページ
出版社: 光文社
言語 日本語
ISBN-10: 4334927491
ISBN-13: 978-4334927493
発売日: 2011/3/19

 「西東京・生命の電話」に自殺志願者から電話がかかってくる。受けたのはベテラン相談員の沼田八重。
 奇妙なことに、そのとき、声が聞こえた。
 「だぁーれまさんが、こーろしたー」

 そのとき、八重のなかになつかしい風景が思い浮かぶ。そして、相談者との会話から、電話の相手が自分の知っている場所から電話しているのだと結論する。
 八重は市の福祉課に知らせ、翌日の夜に自殺しようとしているはずの男を保護するよう依頼した。だが、翌日の夜、すでに男の姿は消え、崖から転落した跡と血痕が見つかっただけだった。

 刀城言耶シリーズではなく単独もの。刀城言耶もカメオ出演するけれど。
 ホラーミステリー作家の速水晃一が連続殺人の謎を解く。

 そして次の週、ホラーミステリー作家である速水晃一のもとに捜査員が訪れる。
 自殺志願者は多門栄介といい、えいちゃんの愛称で、こうちゃんこと速水晃一の幼なじみだったのだ。
 栄介はその週、毎晩、幼なじみたちに電話をかけていた。自分を含めて6人の仲間たちに一日ずつ生き延びるチャンスを与えてもらっていたのだ。しかし、6日目にはもう電話をかける相手がいなくなり、生命の電話に頼っていた。しかし、七日目にはもう誰も電話する相手がいない。

 そして、電話をうけていた幼なじみたちのもとに、翌週、再び電話がかかってくる。そのとき、無言電話のなかにかすかな声が聞こえた。
 「だぁーれまさんが、こーろしたー」
 そして電話を受けた仲間たちがひとり、またひとりと不審な死にかたをする。

 摩舘市、垂麻一族、達磨神社など、怪しいネーミングの地名や、3章ごとに挟み込まれる「ある風景」で描写される子供たちの「だるまさんが、ころんだ」の遊戯の風景が徐々に恐怖をつのらせていく。

 その恐怖の連鎖が連続殺人の被害者の連鎖につながり、残酷な殺人が読者の眼前で再現される。
 速水は信頼する幼なじみの友人である教授と一緒にその謎を解明しようとするのだが、ついに彼にも魔の手がせまる。
 七人目は意外なところから判明していくのだが。
 さあ、恐怖の鬼ごっこの八人目になろう。
 

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