2012年6月9日土曜日

ぼくはお父さんを訴えます。でもそれは・・・

「僕はお父さんを訴えます」
友井 羊

単行本: 308ページ
出版社: 宝島社
言語 日本語
ISBN-10: 4796688234
ISBN-13: 978-4796688239
発売日: 2012/3/9

 
作家・乙一氏激励! 「一気に読ませる手腕と、法廷シーンは一級品」(大森望)、「完成度は高く、ユニーク極まりない」(香山二三郎)、「新鮮な展開にページを操る手が止まらない」(茶木則雄)、「実の親を訴える前代未聞のアイディア」(吉野仁)。選考委員絶賛の第10回『このミステリーがすごい!』大賞、優秀賞作品です。何者かに愛犬・リクを殺された中学一年生の光一は決定的な疑惑を入手し、真相を確かめるため犯人を民事裁判で訴えることに。被告はお父さん! 周囲の戸惑いと反対を押して父親を法廷に引き摺り出した光一だったが、やがて裁判は驚くべき真実に突き当たる!
内容(「BOOK」データベースより)
何者かによる動物虐待で愛犬・リクを失った中学一年生の向井光一は、同級生の原村沙紗と犯人捜しをはじめる。「ある証拠」から決定的な疑惑を入手した光一は、真相を確かめるため司法浪人の久保敦に相談し、犯人を民事裁判で訴えることに。被告はお父さん―母親を喪った光一にとっての、唯一の家族だった。周囲の戸惑いと反対を押して父親を法廷に引き摺り出した光一だったが、やがて裁判は驚くべき真実に突き当たる!2012年第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。

 あらすじとしては内容紹介のとおり。
 光一が同級生のサーシャとともに、愛犬が発見された場所で証拠集めを始め、獣医の協力を得て、なおかつ司法浪人とともに裁判に乗り出ていく。
 被告人は父。
 
 だが、ミステリーだ。
 なぜ、こんな事件が起こったのか。
 人間の残酷さ、というより、内に秘めた残虐性があらわにされていく過程は読んでいて心苦しいものがある。もっとも、どこかの時点でそのあたりに気付いてしまうのが残念。

 ミステリーとしては面白いし、中学生が主人公のさわやかさもあるのだが、この「辛さ」がどう評価されていくのか、今後の楽しみ。ひょっとして本屋大賞の候補にあげたりする人もいるかもしれない。だが、毒のある本だとだけ、言っておこう。

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