「追撃の森」
ジェフリー・ディーヴァー・著
土屋 晃・訳
文庫: 572ページ
出版社: 文藝春秋
言語 日本語
ISBN-10: 4167812061
ISBN-13: 978-4167812065
発売日: 2012/6/8
通報で森の別荘を訪れた女性保安官補ブリンを殺し屋の銃撃が襲った。逃げ場なし――現場で出会った女を連れ、ブリンは深い森を走る。時は深夜。無線なし。援軍も望めない。2人の女vs2人の殺し屋。暁の死線に向け、知力を駆使した戦いが始まる。襲撃、反撃、逆転、再逆転。天才作家が腕によりをかけて描く超緊迫サスペンス。
ごくふつうの警官、と著者が表現する女刑事ブリン。
彼女とミシェルという若い女性が悪人どもの追跡を振り切って逃げる、という話。
悪人の方はハートとルイスの二人組み。
ハートのほうはプロの殺し屋だが、ルイスはどうも間が抜けたように描かれる。
「こちら・・・」といっただけで途絶えた電話。
不審な通報を受けた警察が、念のために、と非番で自宅にいたブリンに確認を求める。
夫はポーカーに出掛けるというし、ほんの2、3時間のつもりで母親に息子の世話をたのみ、ブリンは湖畔の別荘地帯に向かう。
だが、そこで夫婦の射殺死体を発見する。ひそかに警察に戻ろうとしたブリンは謎の男たちの襲撃を受け、車は湖に転落、銃と通信手段を失ってしまう。
森に潜んだブリンは被害者夫婦のゲストに招かれていたというミシェルと出会い、ふたりで男たちから逃げることになる。
その後は、見つかる、逃げるの繰り返し。
罠を仕掛ける。仕掛けたように見せかける。アンモニアを使った待ち伏せ。
逃げたと思わせて、背後に潜む。
湖へボートで乗り出すとみせかけてそれを射撃させたり。
がけを降りたと思わせ、そのまま転落したかのような仕掛けをほどこす。
襲撃者たちもさるもの。とくにハートはブリンの思惑を察知し、追撃の手をゆるめない。
その間、警察ではブリンの報告がないことに不審さを感じる。
そこにブリンの夫の携帯電話に、同僚だと偽るハートからの電話が届く。
怪しさを察知した警察は、ただちに捜索を開始。
一方、ブリンたちはキャンピングカーで生活している家族たちに出会う。だが、彼らはある理由で世間から身を潜めている家族だった。
そこにハートが追いつく。
ついに対決のときが訪れたのだが・・・
前半、追いつ追われつのどんでん返しがエンディングを迎えたとき、驚くべき逆転劇が訪れる。
さすがディーヴァー、ただでは済まさない。
そして第2部、それぞれの復讐劇が始まろうとするとき、すべての謎が明らかになり、おさまるべきところに収束していく。このカタルシスがなによりだ。
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